つま先の向きで何が変わる?
個人的には、ゴルフのショットの良し悪しの90%以上は、アドレスで決まると思っています。
そのアドレスの中で、一番簡単に調節ができて、球筋に影響を与えるのが、つま先の向き、つま先の開き具合です。
しかし、肩や腰のライン、前傾角度やグリップの位置、スタンス幅などは意識していても、つま先の向きは意外と意識している人は少ないのではないでしょうか。
前傾角度や肩や腰のラインなどは、動画に撮ったり鏡を見ないとなかなかチェックできませんが、つま先の向きは目視できてすぐにチェックできます。
つま先の向きによってスイングが変わりその結果、球筋も変わりますので、スライスやフックで悩んでいる人は、つま先の向きで修正できるかもしれません。
また、つま先の向きを変えることによって球筋を打ち分けることもありだと思います。
ここでは、つま先の向きによって、スイングと球筋にどんな影響を与えるかを紹介します。
では、早速つま先の向きで何がどう変わるか見ていきましょう。
※以下は、右利きの場合で紹介しますので左利きの人は、左右が逆になります。
まず、人間の構造上の点からつま先の向きによる基本的な変化を考察してみましょう。
右足のつま先の開き具合で何が変わる?まず肩幅くらいに足を開き正面を向き右足のつま先を閉じた場合(1)、と右足のつま先を30度ほど開いた場合(2)、を比較しましょう。
(1)右足のつま先を閉じた場合
(2)右足のつま先を30度ほど開いた場合
軸の移動まず、その状態から右足に体重を乗せて右足一本で立ちます。あくまで体は正面を向いた状態です。
この場合、右足のつま先を閉じた(1)は、右足の膝と足の内側で体重を支えている壁のような感覚があり体の軸もあまり右に移動しません。右足のつま先を開いた(2)は、膝の正面とつま先に体重がかかり(1)よりも右側に体の軸が大きく移動します。
ここから、右足のつま先を開くほどテークバックで体が右に移動しスウェー(スエー、スウェイ)しやすく、体重も外側にかかりやすいということがわかります。
体重移動次に、右足一本で立った状態から飛球線方向(左)に右足で地面を蹴ってジャンプした場合を比較してみます。
これは、明らかに、右足の膝と足の内側に体重が乗って直角に蹴りだせるつま先を閉じた(1)の方がつま先を開いた(2)よりもはるかに大きくジャンプできます。
ここから、右足のつま先を開くほど左足への体重移動に必要な蹴る力が弱くなるということがわかります。
回転次は、元に戻って両足で立ち、軸をずらさずテークバックのようにその場で体を右に回転させます。
これは明らかに、右足のつま先を開いている(2)の方がより楽に体を回転させることができます。
今度は、逆に左に回転させます。
すると、さっきとは逆に右足のつま先を閉じた(1)の方が右足のつま先を開いている(2)よりも楽に体を回転させることができます。
ここから、右足のつま先を開くほどテークバックの右回転はしやすくなる反面、インパクトからフォロー、フィニッシュの左回転はしづらくなるということがわかります。
腰のスライド次は、腰のスライドについて。
元に戻って両足で立ち、今度は、腰だけ右横にスライドしてみましょう。
これは、右足のつま先を閉じた(1)の方が、右足のつま先を開いている(2)より多く腰がスライドできます。
これは、右足のつま先を開いている(2)は、つま先と膝が腰のスライドを邪魔して、スライドより回転が勝ってしまうためです。
ここから、右足のつま先を閉じた方がより腰をスライドができるということがわかります。
右足のつま先を開くメリットデメリット以上、右足のつま先の開き具合による影響をまとめると、右足のつま先を開かないと左への体重移動と右への腰のスライドがしやすくて、右足のつま先を開くと右回転がしやすく軸の移動が大きくなると言えます。
ということは、右足のつま先を開くメリットデメリットは、右足のつま先を開くとテークバックでの右回転はしやすくなるが右へスウェー(スエー、スウェイ)しやすくなり左への体重移動と右への腰のスライド、そして左回転がしづらくなると言えるのではないでしょうか。
スイングタイプで考えると体重移動を重視してスイングしたい人は、つま先はなるべく開かない方がよく、回転を重視してスイングしたい人は、つま先は開いた方がいいことになります。
また、柔軟性など身体能力で考えると、テークバックで十分な回転ができない人は右足のつま先を開いて、オーバースイングの人は右足のつま先を開かない方がよいでしょう。
また、テークバックでスウェー(スエー、スウェイ)しやすい人は、右足のつま先を今より閉じると修正できるかもしれません。
左足のつま先の開き具合で何が変わる?次に左足のつま先について検証してみます。
肩幅くらいに足を開き正面を向き左足のつま先を閉じた場合(3)、と左足のつま先を30度ほど開いた場合(4)、を比較しましょう。
(3)左足のつま先を閉じた場合
(4)左足のつま先を30度ほど開いた場合
軸の移動まず、その状態から左足に体重を乗せて左足一本で立ちます。あくまで体は正面を向いた状態です。
この場合、左足のつま先を閉じた(3)は、左足の膝と足の内側で体重を支えている壁のような感覚があり体の軸もあまり左に移動しません。左足のつま先を開いた(4)は、膝の正面とつま先に体重がかかり左足のつま先を閉じた(3)よりも左側に体の軸が大きく移動します。
ここから、左足のつま先を開くほどダウンスイングで体が左に移動しスウェー(スエー、スウェイ)しやすく、いわゆる壁ができにくいことがわかります。
体重移動次に、両足で立った状態から飛球線方向(左)に右足で地面を蹴って左足に全体重を移動させた場合を比較してみます。
これは、明らかに、左足のつま先を開いた(4)の方が左足のつま先を閉じた(3)よりもスムーズにできます。
ここから、左足のつま先を開くほど左足への体重移動が楽にできることがわかります。
回転次は、元に戻って両足で立ち、軸をずらさずフォロースルーのようにその場で体を左に回転させます。
これは明らかに、左足のつま先を開いた(4)の方がより楽に体を左に回転させることができます。
今度は、逆に右に回転させます。
すると、さっきとは逆に左足のつま先を閉じた(3)の方が左足のつま先を開いた(4)よりも楽に体を右に回転させることができます。
ここから、左足のつま先を開くほどフォロースルーの左回転はしやすくなる反面、テークバックの右回転はしづらくなるということがわかります。
腰のスライド次は、腰のスライドについて。
元に戻って両足で立ち、今度は、腰だけ左横にスライドしてみましょう。
これは、左足のつま先を閉じた(3)の方が左足のつま先を開いた(4)より多く腰がスライドできます。
これは、左足のつま先を開いている(4)は、つま先と膝が腰のスライドを邪魔して、スライドより回転が勝ってしまうためです。
ここから、左足のつま先を開かない方がより腰をスライドができるということがわかります。
左足のつま先を開くメリットデメリット以上、左足のつま先の開き具合による影響をまとめると、左足のつま先を開かないと左への腰のスライドがしやすくて、左足のつま先を開くと左回転と体重移動ががしやすく軸の移動が大きくなると言えます。
ということは、左足のつま先を開くメリットデメリットは、左足のつま先を開くとダウンスイングからフィニッシュで体重移動と左回転はしやすくなるが、左へスウェー(スエー、スウェイ)しやすくなり、いわゆる壁ができにくく、テークバックの右回転と左への腰のスライドがしづらくなると言えるのではないでしょうか。。
フィニッシュで左足に体重の乗らない人は開いて、インパクトでスウェー(スエー、スウェイ)しやすい人は、開かない方がいいでしょう。
次のページでは、つま先の開き方で変わる球筋について紹介します。
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