最新ドライバーは本当に飛ぶのか?
各メーカーから発売される新しいドライバーの謳い文句は、大体が飛距離。
そう、「飛ぶ!!」である。
毎年のように、新型ドライバーが発売されて、各ゴルフ雑誌では、「今年のぶっ飛びドライバーはこれだ!!」などの新型ドライバーの飛距離ランキングを特集している。
一般のゴルファーは、この「飛ぶ」という呪文?を聞かされているので、
"NEWモデルのドライバー" = "今までのドライバーより飛ぶ"
と認識されている方も多いと思う。
しかし、本当に飛ぶようになっているのであろうか?
2016年4月現在、自分のエースドライバーは、2008年のスリクソンZR-800。
先日、2013年のドライバーを買って使ってみたが、飛距離は変わらない。
また、先日、2006年のスリクソンW-505を使ってみたが、これも変わらない。
そこで、今回素朴な疑問を解消すべく、最新ドライバーを使用する事の多いプロツアーの飛距離の推移を調べてデータを作成してみた。
それがこれ。
アメリカPGAツアーと日本男子ツアーの平均飛距離ランキング1位の平均飛距離と飛距離上位10名の平均飛距離を年別にまとめてみた。
■アメリカPGAツアー
年度 飛距離1位 平均飛距離 上位10名平均飛距離
2006 バッバ ワトソン 319.6 308.97 2007 バッバ ワトソン 315.2 307.31 2008 バッバ ワトソン 315.1 305.97 2009 ロバート ガリガス 312.3 306.31 2010 ロバート ガリガス 315.5 306.76 2011 J B ホームズ 318.4 309.86 2012 バッバ ワトソン 315.5 309.42 2013 ルーク リスト 306.3 303.65 2014 バッバ ワトソン 314.3 307.79 2015 ダスティン ジョンソン 317.7 310.89
■日本男子ツアー
年度 飛距離1位 平均飛距離 上位10名平均飛距離
2006 小山内 護 299.46 294.15 2007 佐藤 えいち 300.22 292.56 2008 津曲 泰弦 296.08 292.12 2009 額賀 辰徳 302.79 295.27 2010 額賀 辰徳 304.28 296.14 2011 K バーンズ 299.16 294.08 2012 額賀 辰徳 305.86 296.02 2013 B ジョーンズ 298.31 294.22 2014 I H ホ 299.16 292.64 2015 額賀 辰徳 298.92 293.31
2006年~2015年までの10年間のデータである。
ご覧のように、両ツアーの飛距離は、1位の平均飛距離及び上位10名の平均飛距離とも、この10年間ほとんど変わっていないことがわかる。
ツアープロのほとんどは、クラブメーカーとの契約上、最新ドライバーを使っているケースが多いと思われるので、このデータは、最新ドライバーのデータと言っていいと思う。
このことからも、10年前のドライバーと、最新のドライバーの飛距離は、全く変わらないと言ってもいいと思う。
例えば、パーシモンからメタルへ、そしてメタルからチタンへとその素材が変わった時は、飛距離は飛躍的に伸びてきたが、この10年間はチタンで変わらない。
シャフトも、カーボンで変わらないのだ。
"NEWモデルのドライバー" = "今までのドライバーより飛ぶ"
という認識は、明らかに誤認であり、メーカーの皆さんには、申し訳ないけど、メーカーの洗脳?とも言えると思う。
最近では、あまり飛距離を言えなくなって、ヘッドの色や可変機能で旧モデルとの差別化を図っているようだが・・・。
とにかく、最新のモデルが欲しい人はいいのだが、飛距離が欲しくて最新のドライバーを買うことは、非常にもったいないことなのです。
10年前のモデルでも十分使えて飛びます。
飛距離を求めて、買い替えを考えるなら、自分の球筋やスイングタイプにあうヘッドとシャフトを中古ショップで購入したほうが、種類も豊富で、価格も安くていいと思う。
最新のモデルを買うつもりで、気になっているドライバーを2-3本買うなんてのもありだと思う。
とにかくゴルフは、リーズナブルに楽しもう!!
自分が、唯一、新しいクラブに魅力を感じるのは、可変機能のついたもの。
シャフトがすぐに付け替えられて、ロフト、ライ角なども調整できるのでとても便利。
しかし、これも結構中古で出てきているのでこれからどんどん増えて欲しいね。
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