スイングバランス測定器の精度・誤差について
先日、視聴者の方から当サイトのスイングバランス(スイングウェイト)計算ツールで計算したバランスと、大手ゴルフショップのスイングバランス測定器で測定したバランスに2ポイントの差があるのはなぜですか?というお問い合わせをいただきましたのでその原因をご説明します。
結論からお話しすると、その原因は、バランス測定器の精度・誤差にあります。
現在使われているスイングバランスは、ほとんどが14インチバランス測定法での表示です。
14インチバランス測定法とは、グリップエンドから14インチの場所を支点とし、ヘッド側がどれだけ重いかを計算式に当てはめ数値化したものをバランス表示(D1など)したものです。
計算式は、グリップエンドからゴルフクラブのバランスが取れる重心までの距離(インチ)から14インチを引いて、その数値にクラブの重量(オンス)をかけます。
【計算式】 (グリップエンドからゴルフクラブの重心距離 - 14インチ) × クラブ総重量(オンス) = 数値 ※1インチ=25.4mm、1オンス=28.35g
その数値をもとに、バランス測定換算表からバランスを求めます。
数値が213.5の時に、バランスはD0と決められていて、数値が1.75増減するとバランスも1ポイント増減するようになっています。
【スイングバランス測定換算表】
バランス | 計算値 | バランス | 計算値 | A6 | 171.5 | C4 | 203 | A7 | 173.25 | C5 | 204.75 | A8 | 175 | C6 | 206.5 | A9 | 176.75 | C7 | 208.25 | B0 | 178.5 | C8 | 210 | B1 | 180.25 | C9 | 211.75 | B2 | 182 | D0 | 213.5 | B3 | 183.75 | D1 | 215.25 | B4 | 185.5 | D2 | 217 | B5 | 187.25 | D3 | 218.75 | B6 | 189 | D4 | 220.5 | B7 | 190.75 | D5 | 222.25 | B8 | 192.5 | D6 | 224 | B9 | 194.25 | D7 | 225.75 | C0 | 196 | D8 | 227.5 | C1 | 197.75 | D9 | 229.25 | C2 | 199.5 | E0 | 231 | C3 | 201.25 | | |
当サイトのスイングバランス(スイングウェイト)計算ツールは、この14インチバランス測定法の計算式通りに計算していますので、正確な測定数値を入力していただければ、正確なスイングバランスが表示されるようになっています。
そして、スイングバランス 測定器は、この計算数値をもとに製作されております。
ですので、14インチバランス測定法の計算式で導き出されたバランスが正しいバランスなのです。
では、なぜ大手ゴルフショップのスイングバランス測定器で測ってもらったバランスが2ポイントも違ったのか?
それは、スイングバランス測定器の精度の問題です。
ゴルフ用のスイングバランス測定器は、ハカリなどと違って計量法に定められた計測器ではありません。
例えば、ハカリの精度がバラバラで、お米を1kg買ったのに実際は900gしかなかったとしたら消費者にとって不利益になってしまいます。
そういうことが起きないように、ハカリなどは計量法に定められた計測器としてその精度をしっかり管理されているのです。
一方、ゴルフ用のスイングバランス測定器は、計量法に定められた計測器ではありませんので、どうしてもメーカーや固体により精度にばらつきがあり1~2ポイントほどの誤差があるのが実情のようです。
ゴルフショップAで測ってもらったらD1だったゴルフクラブが、ゴルフショップBで測ったらD0だったなんてことが起こりうるのです。
また、 スイングバランス測定器は、水平に設置されていないと正確なバランスは測定されないことも頭に入れておくことも必要です。
スイングバランスをそろえたい時は、同じ測定器で同じ場所で測ることが大切なのです。
また、スイングバランス測定器の誤差を知りたい時は、一度14インチバランス測定法で計算して本当のバランスを確認してみてください。
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