シャフトの硬さ(フレックス)
ゴルフクラブを選ぶ上で重要なシャフト。
硬さや重量、しなり方などいろいろな種類がありますので、それぞれの特長をしっかり理解して自分に合うシャフトを選ぶ事がゴルフ上達には非常に大切です。
ここでは、シャフトの硬さ(フレックス)についてご説明します。
シャフトの硬さ(フレックス)まずは、シャフトの硬さの基礎知識について。
シャフトの硬さを表す指標はフレックスと呼ばれ、柔らかい方から順に L、A、R、(SR)、S、X、(XX)と表示されます。
そのまま、エル、エー、アール、エス、エックスと言いますが、 Lは、レディース Rは、レギュラー Sは、スティッフ Xは、エクストラ の頭文字をとったものです。
SRは、SとRの中間の硬さで、XX(ダブルエックス)は、Xより硬くなります。
フレックスには、明確な基準がないただ、この硬さを表すフレックスですが、注意しなければいけないことがあります。
それは、このフレックスには、しっかりとした硬さの基準があるわけではないことです。
メーカーやシャフトによって同じSでも硬さが違うことがあるということです。
あるシャフトのSが、他のシャフトのRより柔らかいなんてこともあります。
純正以外のアフターマーケットのシャフトは、そんなに違いはありませんが、純正シャフトは特に注意が必要です。
それと、US仕様のシャフトは、日本仕様に比べて1フレックスほど硬い傾向があります。
振動数そこで、絶対的な硬さの指標として用いられるのが振動数(固有振動数)です。
これは、グリップを固定した状態でヘッドを振動させ1分間の振動回数を測定したものです。
シャフトが硬いほど速く振動するので振動数は大きくなり、シャフトが軟らかいほどゆっくり振動するので振動数は小さくなります。
単位はcpmで表されます。
例えば、振動数260cpmと270cpmでは、270cpmの方が硬いということになります。
各シャフトメーカーのドライバー用シャフトの振動数は、
45インチで、Rは250cpm前後、Sは260cpm前後、Xは、270cpm前後のものが多いです。
同じシャフトでも短くなると振動数は大きくなります。
同じ振動数でも調子(キックポイント)によって感じ方が変わる絶対的な硬さの指標として用いられる振動数ですが、完ぺきではありません。
同じ振動数でも調子(キックポイント)によって感じる硬さが変わるのです。
先調子と手元調子の同じ260cpmのドライバー2本を打ち比べると同じ硬さには感じないのです。
自分の場合は、手元調子の方がかなり柔らかく感じますが、人によっては先調子の方が柔らかく感じる場合もあるようです。
これは、その人のスイングや、スイングテンポによってしなり方が違うためと考えられます。
ですから、やはり振動数もフレックス同様大体の目安として、実際に試打する事が大切です。
硬さ(フレックス)を選ぶポイント1 ヘッドスピード一般的にフレックスを選ぶポイントは、ヘッドスピードです。
ヘッドスピードの速い人は、硬いシャフト。ヘッドスピードの遅い人は柔らかいシャフトが合います。
シャフトは、「適度にしなる」ことによって振りやすくなり、そして安定して飛距離も出ます。
この「適度にしなる」ことが大切で、しなりすぎても、しならな過ぎてもだめです。
ヘッドスピードの速い人が、柔らかいシャフトを使うとしなりすぎて安定しません。
またヘッドスピードの遅い人が硬いシャフトを使うと、しならないので飛距離も出ず、タイミングも取りづらく力みやすくなります。
下記は、一般的に言われているヘッドスピードとフレックスの目安です。
L/28~34m/s A/32~36m/s R/38~43m/s SR/40~43m/s S/42~48m/ X/46~52m/s XX/50~56m/s
シャフト選びの第一歩は、自分のヘッドスピードを知ることです。
自分のヘッドスピードを測ったことがない人は、ゴルフショップか自分でヘッドスピード測定器を買って測ってください。
硬さ(フレックス)を選ぶポイント2 スイングテンポそれともう一つ、フレックスを選ぶポイントは、スイングテンポです。
一般的に、スイングテンポの速い人は、硬いシャフト。スイングテンポの遅い人は柔らかいシャフトが合うと言われてます。
例えば、ヘッドスピードが45m/sの人でも、スイングテンポが遅い人は、SよりもSR、スイングテンポが速い人は、SよりXが合うこともあります。
また、切り返しのタイミングによっても硬さは影響してきます。
切り返しで、一瞬止めるようなタイプの人は、硬いシャフトが合う傾向があります。
球筋による硬さの判断今使用しているシャフトの硬さがあっているかどうかは、ある程度球筋により判断することができます。
◆シャフトが柔らかすぎる場合 ・右方向(右利きの場合)に高い球が出やすい ・左方向(右利きの場合)に低い球が出やすい
◆シャフトが硬すぎる場合 ・弾道が低い ・力んで左(右利きの場合)に引っかけやすい
硬すぎるシャフトの弊害・力みやすいのでフォームを崩す ・シャフトのしなりが使えないので飛距離が出ない ・球が上がらない
柔らかすぎるシャフトの弊害・球筋が安定しない ・ヘッドスピードが上げられない
振動数フローシャフトの硬さを選ぶ上で一番大切なのは、パター以外の13本の硬さを揃えることです。
13本の硬さを揃えるというのは、すべて同じ振動数にするということではありません。
ゴルフで最も大切なのは、全番手同じリズムで打つことで、それが安定したショットを続ける秘訣です。
ドライバーからウェッジまで同じリズムで打つためには、クラブは短くなる程、重くそして硬くして同じ振り心地になるようにしなければいけません。
その同じ振り心地にするために、13本のクラブを適正な硬さに揃えなければいけません。
例えば、ドライバーのシャフトが多少硬かったり柔らかかったりしても、使い続けていれば慣れてきます。
しかし、その慣れたリズムで、他のクラブを打った時に、ドライバーよりシャフトが硬かったり柔らかかったりした場合は、タイミングがずれてうまく打てません。
何球か打てば、これも慣れてきますが、本番のラウンドでは1球勝負です。
だから、同じリズム、タイミングで打てるようにシャフトの硬さも揃えなければいけないのです。
ウェッジは少し柔らかい方がいい自分もそうですが、プロゴルファーなどはウェッジを少し柔らかくしている人がいます。
これはなぜかというと、ウェッジは他のクラブと違っていろいろな距離を打ち分ける必要があります。
ハーフショットやクォーターショットなど、ほとんどフルショットはしません。
また距離を落とすために、ヘッドスピードを抑えてゆっくり振ることも多いです。
つまり、ウェッジは他のクラブの時よりスイングスピードが遅くなるので柔らかいほうが合うのです。
基本的に、重くて柔らかいシャフトの方がゆっくり振りやすいのです。
では、どれくらい柔らかくするかというと、人それぞれですが1フレックス(SからR)では変わりすぎるので、SRくらいがいいと思います。
専門的には、ウェッジに9番アイアン用のシャフトを挿して番手ずらし(番手ずらしとは)をして柔らかくしたり、ネックへの挿入長を短くして柔らかくしたりします。
ウェッジがうまく打てない、距離が合わないという人は、ウェッジだけ柔らかいシャフトにして試してみてください。
ただ、13本の流れを大切にする人は、そのままの硬さでよければ問題ありません。
ドライバーは少し硬めがいい?個人的な考えですが、ドライバーは、少し硬い方がいいと個人的には思っています。
アイアンなどは、Sを使用していますが、ドライバーは、Sをチップカットして組んでSXにしてます。
硬いシャフトの弊害は、力みやすいですが、ポジティブにとらえると、「速く振ろうとする」です。
以前、年齢的に振れなくなってきたと思い、試しにドライバーをSから同じシャフトのSRに変えたのですが、最初は非常に振りやすくて、ゆっくり振って距離も出ていたのですが、そのうちだんだん飛距離が出なくなってきたのです。
そう、柔らかいシャフトは振りやすいですが、ネガティブにとらえると、「速く振ろうとしない」です。
その後、Sに戻したら飛距離も戻ってきました。
よくクラブの重量は、「振り切れる範囲で重いもの」をと言われますが、ドライバーの硬さも、「振れる範囲で硬いもの」がいいと思います。
あくまでも個人的な考えですが。
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